既製服とオーダースーツの4分類

大まかには、以下の様に分類できます。
(各分類の名称をクリックすると、それぞれの解説にスクロールダウンします)

# スーツの分類 値段 納期 注文の
自由度
備考
1 既製服 2万円~ 無し × 購入してすぐ着用可能
2 パターンオーダー 4万円~ 2週間~1か月程度  比較的安価に、早くオーダースーツが入手可能
3 イージーオーダー 5万円~ 1か月程度 幅広く、好みや身体に合わせた修正が出来る
4 フルオーダー 20万円~ 3か月~数年  完全「オリジナル」のスーツを作れる

※あくまで目安です
 

〇 ポイント

・既製服:購入してすぐに着られるが、自分の好みや体格に合うとは限らない。値段はピンキリ。

・注文服:サイズやデザインは選択肢が広いが、完成までに時間がかかる。値段は高くなりがち。

特徴や値段は大まかなイメージとしてご参照下さい。
特に、値段については選ぶ生地やオプションで大きく変わります。

 

1) 既製服(レディメイド)

既に完成済みの状態で売られているスーツの事です。
「吊るし」のスーツと呼ばれるものがこれにあたります。

生地、サイズ、ボタン等は既に決まっており変更不可です。
(ジャケットの胴囲やパンツのウエスト等は一部直し可能)

〇 メリット
・お店に行ってすぐに買う事ができる。
・「完成品」を実際に試着してから購入できる。
・(一般的に)オーダースーツよりも安い価格帯が多い

× デメリット
・身体に合うサイズが見つからない場合がある。 
・生地やボタンなどにこだわれない。

● 値段
・お店やブランドによる(スーツ量販店で2万円~)

● 納期
・無し(直しが必要な場合、数時間~1週間程度)

 

2)パターンオーダー

上記1の既製服のサイズを基準に、生地や裏地、ボタンなどを指定して注文します。
サイズの修正が出来る箇所は限定的です。

※「パターンオーダー」という呼称でも、下記3のイージーオーダーと同様の
サービスを提供しているお店もあります。

〇 メリット
・オーダースーツの割には納期が早い。
・既製服のサイズで合うものが分かっていれば、完成後のイメージが想像しやすい。
 
× デメリット
・サイズの修正や生地の選択など、指定できる範囲が限定的。

● 値段
・4万円~(簡易なオーダーサービスの場合)

● 納期
・2週間~1か月程度

 

3)イージーオーダー

採寸用の、各種サイズや各シルエット(イギリス風やイタリア風など)のジャケットやパンツ(ゲージ服)を試着の上、
注文者の身体に合わせた修正や補正を加えて作成する注文服です。

上記2(パターンオーダー)と下記4(フルオーダー)の中間にあたります。
 
サイズだけでなく、デザインのディテールまで注文可能となります。
また、身体の特徴(いかり肩やO脚など)にも対応してくれる事もあります。

〇 メリット
・サイズだけでなく、好みや体型に合わせた細かな修正が可能。
・既製服のサイズで合うものが分かっていれば、完成後のイメージが想像しやすい。
 
× デメリット
・納期が前述の2種類に比べて長くなる。(途中でサイズ確認のための「仮縫い」が入る場合もあります)
・完成時のイメージが想像しにくい場合がある。

● 値段
・5万円~(サービスの内容や店により様々)

● 納期
・1か月程度

 

4)フルオーダー

着用者の採寸を細かく取り、ゼロからオリジナルの「型紙」(スーツを作る際のサイズやシルエット等の元データ)を
起こした上で、可能な限り要望を取り入れてスーツを作り上げます。

職人個人や、小規模なチームで製作を行うのが一般的です。
「手縫い」で仕上げる箇所も多く、柔らかく身体を包み込む様な仕上がりになります。
 
細かい注文が可能な事が特徴ですが、仕立て屋ごとに「ハウススタイル」と呼ばれる自身の基本スタイルがあります。
(イギリス風かイタリア風か、クラシックか前衛的か、など)

注文の際には十分に仕立て屋と十分話し合い、自身の理想通りのスーツを作ってもらえるか確認しましょう。

〇 メリット
・生地やボタン、裏地やデザイン等、細かな注文が出来る。
・体型や好みに合わせた補正が可能。
・将来的に、体型が変化した場合の「直し」も柔軟に対応。
 
× デメリット
・納期が長い。また、仮縫いが1回~複数回必要。
・高額になりがち。

● 値段
・20万円~

● 納期
・3か月~数年

管理人がイタリアのテーラーにフルオーダーのスーツを注文した際には、
「スリーピース(パンツ2本)」で60万円、納期が1年以上かかりました。

 

なお、それぞれの定義や呼称は、お店によって異なります。
例:イージーオーダーを「セミオーダー」と呼んでいる。

また、英語ではオーダースーツの呼称は「Bespoke(フルオーダー)」と「Made-to-Measure」の2種類しかありません。

上記の「パターンオーダー」や「イージーオーダー」は和製英語です。
また、両者の定義は曖昧な事が多いです。

ちなみに、日本のオーダースーツはレベルが高いです。
「麻布テーラー」や「佐田(SADA)」の様なチェーン店でも十分な出来のスーツが作れます。

1度作ってみて、既製品との違いを感じてみると良いと思います。