半沢直樹から学ぶ「スーツが与える印象」②

スーツに見る対立の構図

内容としては、前々回の記事からの続きです。前回の記事もご覧下さい。
  
なんだか半沢直樹の解説の様になってきていますが、今回も日曜劇場「半沢直樹」を題材にスーツのお話。
 
主役の半沢部長のシンプルな装いが非常に格好良いですが、「お偉方」も個性的で見ていて楽しい装いをしています。
 
前回登場の黒崎”証券取引等監視委員会事務局証券検査課統括検査官”は、お決まりの赤ネクタイと赤チーフで、「銀行を目の敵にしている」相手役の印象を出していました。
周りを囲む「ヒラ」の検査官は全員質素に黒っぽいスーツで固めており、黒崎の特異性を一層際立たせるための背景となっています。
 
銀行内でも、それぞれの役に応じて衣装に違いが。
 
三笠副頭取(古田新太氏)は、濃いグレー大柄のストライプ、劇中で(恐らく)唯一のダブルのスーツで、いかにもな「ラスボス感」を出しています。
 
「反中野渡頭取派の筆頭」という事で恐らく、中野渡頭取(北大路欣也)との対比も意識されている様子。
https://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/chart/
 
・中野渡頭取 -> シングルのスーツ、シンプルな色のネクタイ(寒色が多い)
 
・三笠副頭取 -> ダブルのスーツ、明るい色のネクタイ(暖色が多い)
 
ダブルのスーツにも色々とありますが、三笠が着ているのは「6つボタン下つ2掛け」の様に見えます。
(参考)http://www.e-uniform.net/sougo/order-suit/order-migi-1/migi-1.htm
 
6つボタンの場合、4つボタンや2つボタンと比べて厳かな印象が出ます。
Vゾーンが狭く、四角いシルエットにもなっているため、コメディでも活躍している古田氏ですが、ダブルのスーツによって三笠の貫禄と抜け目なさが印象付けられます
 
対する中野渡頭取は、いつもシンプルな王道スタイル。
テレビは上半身だけを映す場面が多いので、ネクタイやチーフ等の上半身の装飾に工夫が多くなりますが、頭取は目立つ柄やアイテムを取り入れていません。
 
「校内融和」を図るだけあって、どの派閥にも属さない格好をしています。
また、セリフの少ない頭取の威厳を目立たせ、視聴者の注目を顔に集める意味もあると思います。
 
北大路氏の眼力があってこその演出ですね。
反対に、顔のアップが多く表情豊かな伊佐山部長(市川猿之助氏)は、バランスをとるためか装飾が派手目です。
 
ドラマを観ていると何となく「半沢直樹かっこいいなぁ」、「三笠副頭取怖い」と感じる事がありますが、実は衣装が与えている印象も結構強いと思います。
 
というわけで明日の日曜劇場、役者の衣装にも注目して見てみると面白いかもしれません。
 
次回予告では、半沢部長が珍しく水色の鮮やかなネクタイを締めていました。
対峙するであろう三笠副頭取と反対の色ですね。
https://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/story/
 
前半戦のクライマックスになりそうです。

↓半沢直樹の第1シリーズを復習したい方はこちら

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